便利ではないけど飽きがこないアナログ製品

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画像は、以前所有していたSR400です。今の愛車があり、乗る時間がないので友人に譲りました。

このバイクはなかなかおもしろくて、最初は通勤用のアシとして手に入れたのですがこのSRと一緒に何度遅刻したことか(単なるメンテナンス不足です)。
バイク好きな方はわかると思いますが、大したモデルチェンジもなく生産され続けてきたSRは、エンジンスタートがキックオンリーです。

仕事場がそんなに遠くないから、セルスターターだとバッテリーの事を気にしなければいけないと思い、キックスタートのSRを選んだのが購入した理由です。ちなみに、バッテリーレスにしていました。

このアナログ感がとても気に入っていましたが、購入してからすぐは慣れるまでに苦労しました。まずエンジンをかけるコツがなかなか掴めない。上死点を探すまでに何回もキックを踏み、キャブレターにガソリンが送り込まれすぎ、ガソリン臭に気づく頃にはエンジンがカブってしまってました。

しかし2週間もすればコツを掴み、難なく始動できるように慣れました。バッテリーがないのでもちろんエンジンがかかるまで何にも反応がないんですが、エンジンがかかるとまるで命を吹き込まれたかのようにしっかり動いてくれました。
たまに信号待ちでエンストしたときはキックならではの焦りを感じましたが(笑)

最新のバイクを見ると本当に快適だと思います。立派なオーディオを積んでいたり、カーナビが付いていたりなど、まるで車のような装備です。ブレーキにABSが標準装備されていたり、何ヶ月放っておいてもセル一発でかかるインジェクションなど、たまに羨ましくなります。

しかしなぜか、予算以外の理由でも古いものばかりを選んでしまいます。確かに最新のは快適なんですが、快適すぎるのです。子供でも簡単に握れてしまいそうなイージークラッチなど、もしバイクが盗られた場合あっさり運転できてしまうんだろうな、と思います。

個人の所感ですが、バイクや車などはノーマルが最高のコンディションです。不満がなければ常に最高の状態です。マフラーを交換する、サスを換える、ハンドルを換えるなどカスタムをすることによりバランスが狂うので、それに並行して他のパーツを交換する必要があったりバランスが変化するので、場合によっては調子が悪くもなります。

確かにコンピューター制御にするとエンジンは快適にかかりますが、ちょいとマフラーを交換するだけでもコンピューターの交換や設定変更も必要になります。バイクのカスタムなのにパソコンに向かいます。

現行のバイクを否定しているわけではないんですが、快適を求めてない私には、コンピューターで制御するデジタルよりも、天気や気候でコンディション、オーナーの癖や趣味で変化するアナログが楽しくて仕方ありません。

以前乗っていたこのSRは、お世辞にも快適とは呼べないスペックでした。しかし部品交換などとても簡単で、オーナーがバイクに合わせるにではなく、オーナーの好きなようにバイクを変化できたのです。しかもバッテリーを全く使っていないところなど、時計でいうところの「手巻き式」のような感じで好きでした。オーナーが一生懸命キックスターターを踏み込みエンジンを始動するところなど、手巻き式のゼンマイを巻く感覚に似ています。

時計では、現在電波時計でいつでも正しい時刻、ソーラー電池で充電し快適に動く時計があります。確かにこちらは正確なので、電車やバスなど時間を厳守する環境では大変役立ってくれます。しかし生き物のような愛着ではなく「機械的」なのです。快適に動いて当たり前。

なのでソーラー電池の腕時計などは、電池交換をする時の電池自体が特殊なのでパッと交換することができません。たいがいはメーカー送りになります。

日常で快適な分、いざという故障などでは本来快適なものが困難な修理になり、単純なものが簡単な修理で直ります。

最終的には好みなのですが、ある程度単純な物のほうが取り扱いやすいです。

バイヤー:合田圭四郎

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