日付の変わる瞬間が楽しみになるクイックチェンジ

IMG_4201.jpg

20代前半、ひょんなことからとても腕時計が欲しくなり、毎日カタログやインターネットで探す、という日々を送りました。その時知り合いから聞いたのが「スイス製の機械式時計は、カレンダーの動きで高級かどうかがわかる」と言われたのを今でも覚えています。

どういう事かというと、日付が変わる12時の瞬間にカレンダーがカチッと変わる時計は高級で、10時過ぎからゆっくりと変わる時計は高級でない、ということでした。最初は鵜呑みにしてしまい、カレンダーを見て高級だ、高級でないと言っている時期がありました。しかし今、ほぼ毎日時計を見るようになり、よく考えるとそんなに価値を左右する部分ではないのですが、クイックチェンジする方が高性能という印象は受けます。

毎日時計が入荷し時計のチェックを行うのですが、あるブランドでは時刻をスイス時間のまま送ってきたりします(笑)

本音では「日付と時間ぐらい合わせて送ってほしい」なんて思うのですが、時計の時刻を合わせるのも異常を確認するいいチェックになるので、入荷後必ず操作をしています。日本はアジアでも東側なので、ヨーロッパと比べても時間が進んでいる状態になります。時間を早送りする必要があります。

時計の時間を調整するとき、あまり針を逆回転に回さないように心がけています。時計は時計回りに時刻を進めるので、反時計回りにしてしまうと負荷がかかると以前学んだからです。今は技術も向上し、あまり気を遣わずとも気軽に調整できる時計も多くなりましたが、やはりまだまだ気をつけなければいけない時計が多いです。

時間の調整をしていると、カレンダー付きの時計の場合日付を合わせる必要があるのですが、この時にカレンダーを操作することによりクイックチェンジかどうかがわかるのです。カチッと変わるから高級時計、というわけではありませんが、少なくとも技術のない、または低いブランドではこういうスペックには出会えません。

お客様目線で考えると、このクイックチェンジはメーカー情報にも記載がなく、基本的に前に出ない情報で、購入前に知るには実物を手にとって見るしかありません。当店でも実物が入荷してから確認する、または展示会でそういう部分を見ることでしか知ることができません。

デザイン等でなく、こういったスペックでの質問がある場合、時計さえあれば見て確認することができるので、知りたい場合はぜひ購入前に問い合わせることをおすすめします。

画像はオリスのエアレーシング限定モデルで、6時方向に日付、9時方向で曜日を表示するモデル。曜日を表示したくない場合は飛行機のイラストと入れ替えることが可能で、この場合毎回飛行機がカレンダーの代わりに変わり、オーナーに違った表情を楽しませてくれる、ユニークなモデルです。

バイヤー:合田圭四郎

カテゴリー: スタッフ日記 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA