偽物はボロが出る

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画像は内容とあんまり関係ありませんが、お店の看板で一番目につくところなのにとてもチープな印象を受けたので、思わず撮影してしまいました。中に入って注文すると、とりあえず日本のそれとは全然違う物が出てきそうだったので入店してません。

先日、香港に行ってきました。現地での楽しみと言えば、王道ですがナイトマーケットでいろいろ物色することです。

初めて行った時、正規の時計を扱っている立場にも関わらず、興味本位でパチモノの呼び込みに引っかかってしまい、クオリティの低い偽物を強引に見せられたのを忘れません。
もちろん買いませんが。いくらシャレと言っても偽物とわかりつつ購入するのは犯罪の片棒を担いでいると同じなので、海外へ行く際にはくれぐれも引っかかって購入しないようご注意ください。

ナイトマーケットで数店中古やアンティークの時計を置いている店があるのですが、価格は表示されておらず、店員に聞いてみるとロレックスのデイトジャストの中古で、価格は8000香港ドルとのこと。その時のレートで日本円に換算してみると、だいたい105000円程度。

もし本物であれば個人的には悪くない買い物となるのですが、場所が場所だけにものを見ずに買う勇気はなく、とりあえずショーケースから出してもらい見てみることにしました。
モデルはデイトジャストのステンレスブレスレットで、ド定番のタイプです。

まず持ってみて思ったのが「軽!」でした。チタンでも使っているのかと思ってしまうほどに軽く、この時点で「本物ですか?」と質問する気も無くなりました。

せっかく出してもらったので、このまま間違い探しを楽しんでみようと、次は裏蓋を見てみました。修理で何度かデイトジャストの裏蓋を見たことはあるのですが、あきらかにロレックスでは見たことのない形状になっています。

少し本体を操作してみようと、時刻を早送りし日付を変えてみたところ、デイトジャストの機能はついていなくジワーっと日付が変わっていきます。
もし1956年以前のモデルであればこのタイプはありえるのですが、そんなに古い時計でもなさそうだったので、これ以上見ても意味はないであろうと、その場を立ち去ろうとしたところ、店員が電卓に金額をマイナスして表示してきました。

価格が高く感じて購入を諦めたわけではなく、明らかに偽物とわかったので立ち去ろうとしたので、いくら価格が下がろうと購入するつもりはありません。

よく質の高い偽物のことをスーパーコピーとか言いますが、実際に見てみるとこんな程度が限界で、いちいち裏蓋を開き確認する必要もありません。

限りなく本物に近いクオリティに仕上げようと思うと、実際には本物以上のコストが掛かってしまうほど手がかかるものです。偽物が片手間でコピーできるほど、スイス時計は甘いクオリティではないのです。

どんなに法が厳しくなっても、偽物が絶滅することはないと個人的に思っています。
偽物を購入する時、知りながら購入しているのと騙されて購入しているのでは全く違います。

知識があると、少しでも騙される可能性は減ります。
連休などで旅行の際は、くれぐれも海外で騙されないように気をつけてください。日本でも騙される可能性は十分にあります。

バイヤー:合田圭四郎

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