感覚の違い

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国が違えば文化が違うので、価値観が違うのは仕方がありません。これはいろんな業界に当てはまることなのですが、時計も例外ではないのです。

我々日本人は、世界の中でも技術面など高い方で、工業製品など世界の中でも優秀な技術をたくさん持っています。機械式時計の中でも日本の評価は高く、グランドセイコーなどがいい例です。

日本人は技術が高いだけでなく、クオリティにもこだわる国民です。もちろんそれは当店でも例外ではなく、検品などこだわりを持ち基準を設けています。
逃げではありませんが、ブランドにより少しレベルを変えています。

もちろんスイスの本格派ブランドであれば、ある程度の精度は安心していただけるのですが、組み立てがアジアで行われているブランド、精度にバラつきがある安価な機械式時計などは少し甘い基準で検品しているのです。

入荷時と発送前に検品を行っているので、よほどのことでない限り故障を引き起こすことはありません。

しかし、どうにもならないことがあります。

それはメーカーによる予告なしに行われる「仕様変更」なのです。

何年か前、ロレックスのサブマリーナで「クロノメーター」の表記がある日突然加えられていた、という事がありました。クロノメーターなど厳しい基準をクリアした、という付加価値であれば不満に思う人は少ないかもしれませんが、表記なしのシンプルなバージョンを気に入って購入したかった人には希望のモデルが手に入らないことになります。

他のブランドでも日常的にこういった現象は起きていて、ブランドのロゴマークが若干変わっていた、よく見るとケースの形状が若干変わっていた、など予告なしに行われる事が多いです。

これはメーカーの下請けであるサプライヤーが契約変更により変わった、工場を閉じてしまい別の工場へ変更を余儀なくされた、という理由が多いです。中にはデザイナーが変わったという場合もあります。

デザインが変わってしまっている、と思うとネガティブな印象となりますが、生鮮食品で言うところの「とれたて」だと思うと少しお得な印象になります。
時計は機械ものなので製造年月日が識別しづらいんですが、新しいパーツに切り替わっているという事は、新しく生産されたものと推測する基準となります。

まれにブランドが作ったプロトタイプが混ざりこんでしまったり、ミスプリントのものが混ざりこんでしまうことがあります。

メーカーも工場出荷前に検品を行っているのですが、向こうが検品する時に重点をおいているのは見た目などの「仕上がり」ではなく「動いているか」の機能面なので、デザインが間違っていないかどうかよりは、時計がきちんと動いているかを気にするようです。

たまにある現象が、取り扱い当初やカタログはベルトが白いステッチだったのに、いつの間にか黒いステッチに変わっていたり、ベルトの色自体が変わってしまっている、なんていうこともあります。

日本人からすると、かなりアバウトで感覚の違いを実感します。

バイヤー:合田圭四郎

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