スイス国鉄の「顔」となった時計

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スイス国鉄(SBB)の公式時計として、スイス国鉄が通っているあらゆる駅構内に設置されている時計といえば、モンディーン。

独占契約を結び、3000箇所に設置されている、スイスの鉄道を代表する時計です。
数字を使っていない、シンプルなバーインデックス、先端が丸くまるで信号灯のようにシンプルだけど高い視認性を出すことに成功している秒針はモンディーンの代表的なデザインとして、今も昔も変わらず使用されています。

有名なのが、チューリッヒ駅の中央口にあるモンディーンの時計はモニュメントになっており、待ち合わせ場所によく使われてます。

余談ですが、現行のバージョンでは無くなってしまいましたけど、iPhoneやiPadのios6が発表された時、表示される時計のデザインがこのモンディーンと酷似していて、リリース当初はモンディーンがアップルにデザインを提供したんだと思っていましたが、無断で使用していたようで一時問題になったのは記憶に新しいです。

これによりモンディーンの名前は知らずとも、デザインは少しでも認知されたと思われます。

さて、そんなモンディーンですが、駅のホームにある時計を見ているとおもしろい動きをします。
秒針が12時位置にくると時計がストップし、少し間をおいて再度動き始めます。

最初は故障したのかなと思い時計に見とれていたんですが、規則的に12時位置丁度で時計がストップしているので、そういう時計なのだと察しました。
後から知ったのですが、これは「Stop to go」という仕組みで、秒針は実は58秒で一周しており、12時位置で2秒止まり分針と一緒に動き始めます。

12時位置で2秒間停止している間、駅構内にあるすべての時計に電力が供給されることになっており、これによりどの時計を見ても誤差がないよう正確に動くという仕組みになっているのです。

通常、時計は秒針まできちんと正確に動く事が望まれがちですが、Stop to goの考え方では現在何秒なのかではなく、現在何分なのか確認できることに重点を置いている、という考え方になります。

スイスの鉄道は正確で、時刻丁度に動き出します。その正確な鉄道の裏には、正確に動き続けているモンディーンの鉄道時計の存在が大きく影響しているのです。

ホームに設置されている時計はとてもシンプルになっており、時刻を見るためのもの以外は一切ついていません。当然、ブランドロゴも省略されています。
シンプルなので遠目から見ても時間を誤認する可能性は低く、スイス国鉄のシンボルとして現在も変わらず時刻を表示しています。

バイヤー:合田圭四郎

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