海外のニセモノにはご注意を

香港は九龍島の最も有名な通りである、ネイザンストリートを歩いていると、いたるところに時計店が乱立しています。
そしてその店の前では、片言の日本語で「ニセモノ ニセモノアルヨ」と連呼しながら近寄ってくる外国人が後をたちません。

いくら断っても意味が通じていないのか、それとも想像以上にポジティブなのかわかりませんが、諦めてくれません。

かまっていても仕方がないので何とかかいくぐり、街を通りました。
特に男にはしつこいようです。

ちょうど10年前、旅行で訪れたグアムでニセモノをタクシー運転手に無理やり勧められ、パッと見アロハシャツ屋なのに店の裏で堂々とブランドコピー品を販売している店に連れて行かれた経験があります。
買わずに店から出るのはかなり苦労したのをおぼえてます。

女人街(ノイヤンガイ)という街があるのですが、ここを通っていても非常にニセモノを進めてこられます。

現代の需要なのか流行なのか、スマートフォングッズが大半を占めているのですが、カバーなどを見ていると、またしてもニセモノを強くすすめてきます。
あまりにしつこかったのと、心のどこかでニセモノのクォリティを確かめてやりたい、という怖いもの見たさから、あえて見せてもらうことにしました。

摘発されるのを恐れてか、向こうもすぐには時計を出してこず、明らかにブランドのオフィシャルイメージを印刷したカタログを出してきて、どれが見たいのかを迫ってきます。

当店の取り扱いブランドが入ってない事にはホッとしましたが、出してくるブランドはどれも有名なものばかり。

目についたのがパネライだったので、これと指差し待つこと5分程度。
立って待たされているとやたら長く感じてきたので、こんなところを冷やかすのはやめようと一度断りを入れたのですが、時すでに遅しで、連中の仲間からすっかり見張られてしまっていました。

観念して待っていると、箱を持って男が現れてきました。蓋を開けてもらうと中にはパッと見カタログと同じ時計が入っています。

手にとって見ると、恐ろしく軽い。

ある程度粗悪品であろうとは思っていましたが、想像以上にチープなのが何よりも驚きでした。
中身のムーブメントが見えていたので、どこのムーブメントかと尋ねると「韓国」との返事。

見れば見るほど、とても本物とは似ても似つかない事がよくわかり、退散しようとしたのですが向こうは諦めてくれません。

後から知人に聞いた話では、しつこく迫り諦めて払っていくのが多いらしいです。確かに、少しでも中途半端な態度を見せると見逃してくれなさそうな雰囲気です。

正規品の時計を販売する立場の人間がニセモノを購入する理由も必要も全くなく、こういう風に販売しているのかと実態も見えたので、ひたすら断り続けその場から退散しました。

よくニセモノをおみやげに持って帰る人がいますが、これは立派な犯罪行為であり、特にわかっていながら購入するなどもってのほかで、洒落で買っているだけでもニセモノ業者の片棒を担いでいるのと全く同じです。

ニセモノが作られてしまうのは後をたちませんが、購入しないだけで日本への流通は少しでも防げますので、海外旅行などでニセモノを案内されても、絶対に手を出さないよう気をつけてください。

バイヤー:合田圭四郎

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