防水時計の基本

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ダイバーズウォッチなど防水時計の基本は、当たり前ですが水が内部に入り込まないことです。

水が入り込まないために開発された技術の基本が、今も昔も変わらず「ねじ込み式」なのです。
本体裏面がねじ込み式になっていたり、ダイバーズウォッチに多いのはリューズもねじ込み式になっている場合があります。
その名の通り、ねじ込みを閉めて隙間を無くすわけですが、これだけでは防水は成り立ちません。

ねじ込み式裏蓋を開いてみると、内部には必ずといっていいほどパッキンが入っています。

このパッキンが傷んでしまうと、本来の防水性能を発揮しなくなるわけです。
店頭でやお電話で、よく「お風呂で時計を着用しても大丈夫か?」と聞かれるのですが、もちろん大丈夫なわけがありません。

お風呂に浸かる、または熱いシャワーを浴びるなどの行為は、基本的に水ではなくお湯です。このお湯を時計に当て続けることで、時計内部にまで熱が浸透し、大事な部分であるパッキンが変形してしまうのです。

傷などの劣化でなくても、パッキンが変形してしまうだけで、本来の防水性能は発揮されません。変形した部分から水分や湿気が侵入する可能性が高く、いつの間にか文字盤が湿気で曇ってしまっていた、なんというお話もよく耳にします。

確かに、真水のシャワーであれば、防水性能さえクリアしていると問題ありません。

実際にあった事例では、ダイバーのお客様がダイビング終了後に、海水を洗い流すためにシャワーを浴びたのですが、この前にカレンダー調整が時刻調整をしたようで、リューズのねじ込みがきちんと閉まっておらず、内部に直接水が侵入し、結果文字盤側が曇ってしまってオーバーホールした、という事があります。

ご本人はきちんとリューズも閉めてあったと言っていましたが、リューズ内側にはちゃんとシャワー時に使ったとされる石鹸が残っていました。
つまりねじ込みを解除したままシャワーを浴びた証拠です。
わざと壊す人はいないと思いますが、時計は嘘を付きません(笑)

防水機能を解除してしまうと、どんな高性能なモデルでも、たちまち非防水へと退化してしまいます。
特にカレンダー付きの時計の場合、2、4、6、9、11月のように31日までない月は必ず調整が必要となります。
この時に閉め忘れてしまうだけで、時計には致命傷となるのです。

防水時計を大切に使うルール
・防水時計の基本は、お風呂、シャワーは厳禁。
・水に入れるときには念のため、ねじ込みなど閉まっているのか要確認です。
・塩分は錆の原因なので、塩水に浸かると必ず水道水で洗浄(※汗も塩分なのでたまの洗浄は必要です)

防水時計は、その密閉度の高さからホコリも入りにくいのが強みで、夏だけでなくオールシーズン重宝します。
上記のルールを守るだけで、本来の機能を十分に発揮してくれ、快適に使うことができます。

バイヤー:合田圭四郎

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