腕時計のルーツ

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人に話すとけっこう驚かれるのが、以外にも腕時計の歴史です。

時計という文化は、何百年も前にヨーロッパで職人が組み立て、歴史にも出ていないようなものもいまだたくさんあります。懐中時計や柱時計など、歴史はとても深いです。
量産品ではなく、技術の結晶として製作された時計は、もはや芸術品の域に達しているとも言えるでしょう。

腕時計は、確かに誕生自体はとても早く最も古いとされるもので1790年代のカタログが現存すると言われています。
その後の歴史にも腕時計が製作された事実はありますが、それらはほとんど実用品よりも宝飾品として作られています。

一般的なものになる前は、軍事需要から誕生しています。
戦争に時計は不要に思われますが、実は時間を共有する、という行動は作戦を遂行する以上とても大切で、時計は必要だったと思われます。

腕時計が存在しない頃は、戦争中でもポケットに懐中時計を入れ、匍匐前進(ほふくぜんしん)をしながらポケットから時計を取り出し、時刻を確認していたと言われています。当然時計を取り出すのに時間がかかり、それだけでかなり命取りになった事でしょう。

大砲を撃つ兵隊が時間を確認するため、懐中時計の鎖を腕に巻きつけたままのスタイルが、現代の腕時計のルーツと言われています。

島耕作シリーズで使われていた事でも有名な、ジラール・ペルゴにオーダーが入ったという記録が残されており、オメガが1900年に腕時計を商品化したといわれています。

現代のように、腕時計専用のムーブメントなどは存在しているわけがなく、当時は小さめの懐中時計にベルトをつけた物が主流であったと言われています。
主に使用していたのは女性であったと言われており、男性は懐中時計を使用したが、第一次世界大戦を機に一般へ流通しました。

第一次世界大戦は、それまで懐中時計だけを製作していたブランドに、腕時計の製作へとシフトするきっかけになったのです。

もちろん懐中時計と同じく手巻き式が主流であったが、実は懐中時計の時代から、すでに現行の自動巻きの概念はありました。
しかし普及すること無く手巻き式となってましたが、腕に着用することが新しいマーケットとなることで、自動巻き腕時計の開発が進んだのです。

1926年にはフォルティスが世界で初めての自動巻き腕時計を商品化しており、軍事で使用するため防水性の向上が必要とされ、様々なブランドから防水時計が製作されるようになります。

現代では、懐中時計の進化は終了しており、今後新しいムーブメントが製作されることはほとんどありませんが、腕時計はまだまだ発展途上とされていて、次々と新しい技術が開発されています。

時計業界に最も衝撃があったのは、個人的な主観ですがクォーツ式ムーブメントの登場でしょう。少なからず、懐中時計にも影響してますし、1967年代に初めてクォーツが登場し、69年にセイコーが発売開始してから多くのブランドが大打撃を受け、消滅しました。
これがクォーツショックと言われています。

テクノロジーを追求すると、現在では時刻を電波受信し正確な表示はもちろんのこと、動力はソーラーで電卓のように充電できるなど、これ以上無いほど快適になってきています。

しかし機械式時計の魅力は、今も衰えること無く高い人気を誇っています。

技術がいくら進んでも、アナログの魅力は消えません。

バイヤー:合田圭四郎

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