機械式時計の精度

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ゼンマイを動力とする機械式時計は、クォーツ式時計と比べると狂いやすいです。それは異常があり狂ってしまうのではなく、そもそも内部の仕組み自体が違うからです。

機械式時計の精度の参考として当店では基準を設けており、それを大幅に超える場合はお客様に納品してません。

一日に発生する誤差を「日差」といい、これに基準を設定し日常入荷する時計を検品しています。スイス製機械式ムーブメントの場合、自動巻き、手巻きともに±20秒以内となります。つまり3日で1分狂うくらいであれば正常の範囲としています。

通常、時計は時刻が遅れるよりも進むよりに設定されているので、大体は1日数十秒ほど進むことになります。

同じ機械式でも中国製の場合、手巻き、自動巻きともに日差が±60秒以内が許容範囲と設定しています。実際に時計をみてみると、角度による誤差の違いである姿勢差が発生しやすく、安定していないため1日1分以内は正常としています。

価格の面でもスイス製機械式と中国製機械式では差があります。カタログだけやメーカーホームページの情報だけだと「自動巻き」「手巻き」などで完結に書かれている場合が多いです。
スイス製のムーブメントを使っていても、簡潔にしか書かれていないブランドもありますが。

長く時計を愛用しようと思うと、がぜんつよくおすすめするのはスイス製機械式ムーブメントです。オーバーホールなどの定期的なメンテナンスをわざわざする価値があり、メンテナンスにより半永久的に使えるからです。

仕事柄、人の着用している時計には興味がありよく見せてもらうのですが、同じ時計を何年も愛用している方はスイス製ムーブメントの方が多いです。

スイス製ムーブメントの中でも、最も厳しい基準が「C.O.S.C クロノメーター」といいます。通常の検査とは違い、あらゆる姿勢で何日間も厳しいチェックを行います。

時計ブランドは世界でも多く存在しますが、本場として世界的にレベルが高いものはスイスが多く、本場でも数えきれないほど多くブランドが存在します。
クロノメーターは、その厳しさから時計の本場であるスイス製でも、わずか5%しかクリアできない基準です。

量産される時計がクロノメーターをクリアするには、製造や調整にものすごく高い技術、時間が必要とされます。

そんな高い技術が惜しみなく注がれているからこそ、やはり安価ではなくそれなりの価格になってしまうのが難点ですが、好きで長く着用する時計は「持つ価値」のあるがおすすめです。

バイヤー:合田圭四郎

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