心地いい手巻きの音

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子供の頃、時計の音で知っているのは2種類だけだった。
映画や刑事ドラマで聞き覚えのある、時限爆弾についている時計の音は「チッチッチッチ」という小刻みな音。緊迫した場面などで耳にする音だったからか、よく覚えている音。今そういう場面をテレビで見ると、針の音と動きが全く違っている場合があるから面白い。

そして田舎の祖母の家に宿泊した時、まだ眠くないのに床に入らされ、布団から天井を見つめながら眠れずに聞いた「カチッカチッカチ」と一秒刻みに秒針が動く掛け時計の音。
特に意識せずに頭にインプットされたこの音、他では学校などでも聴き馴染みあるが、テスト中など静まりきっている時ほどよく聞いた印象がある。

時計の仕事をするようになり、最初に聞いた手巻き式懐中時計の音が、子供の頃から頭にインプットされている小刻みな音。

自動巻きの時計はとても早く感じ、聞いて落ち着くと言うよりは忙しくなる感覚。ムーブメントを調べてみたら、自動巻きは1時間に28800振動。1秒間に8振動となる。手巻き式は、種類がいくつかあるが、昔から聞き覚えのあるのは1時間に18000振動、1秒間に5振動のタイプと思われる。

個人的な感覚だが、この5振動の音はいくら聞いても心地が良い、思い出の音といえる。
画像は、今では廃盤になったビクトリノックスの手巻き式腕時計。
パワーリザーブ56時間。

バイヤー:合田圭四郎

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