欲張ると後々高くつくハイスペック

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時計は機械ものなので、購入後はいずれ何かしらメンテナンス費用がかかってしまいます。クォーツムーブメントの時計であれば電池交換を。自動巻きや手巻き式時計であればオーバーホールをしなければなりません。

時計とは趣向性の高いものなので、購入を検討している時は物欲が勝ってますが、購入後の姿を意識しておくことも大切です。

時計を選ぶ上で、見た目などのデザインも購入の重要な要素です。そしてムーブメントやスペックもよく悩みます。「せっかくなのでこのハイスペックなモデルにしようかな?」など考え実はあまり必要でなかったのに、結果オーバーなスペックを選んでしまう、なんていうことはよくあります。これは時計にかぎらず車やバイクなど、全ての買い物にあり得ることです。

昔初めて購入したオメガのシーマスターは、初めて買った時計なので大事にしすぎ、300m防水とハイスペックなダイバーズウォッチであるにも関わらず、一度も水に濡らすことがなかったんです。本来の機能を全く活かせてないいい例です。

なけなしのお金で買った初めての時計だったので、選んだ基準はもちろん見た目。スペックなど全く意識してなかったです。

なのでこの場合では非防水でも十分だったので、300mの防水機能はオーバースペックであったと言えるでしょう。では10気圧程度の日常生活強化防水程度で時計を探すと、もっと幅広く、しかも低予算でも時計が選べたと、今振り返るとそう思います。

防水性能がとりわけ高いということは、そうでないモデルに比べ、オーバーホール時に防水チェックが必要になり、少し割高なメンテナンス費用となるのです。
機械式時計では部品の数もオーバーホール時に関わってきます。

クロノグラフのように部品数がかなり多いモデルでは、3針のモデルに比べどうしてもメンテナンスの価格が高くなってしまいます。実はあまり意識されてませんが、カレンダー機能も部品数に影響しているのです。カレンダー機能を持たず、時針、分針、秒針の3針や2針モデルの時計は比較的メンテンナンス費用も割安となります。

機械式時計だけでなく、自由度が高く種類の多いクォーツムーブメントの時計で選ぶ場合の方が、オーバースペックを選びやすくなります。

国内ブランドの主力モデルは光を吸収することにより動くソーラーや、電波を定期的に受信しいつでも正しい時刻を表示する電波時計など、標準的に採用されている機能ですが、必要ない方にとってはオーバースペックとなります。

通常、クォーツムーブメントの電池交換はよほど特殊になっていない限り時計店であればどこでも行えます。

しかし電波時計やソーラーの場合、通常の電池とは違っているモデルを使っていることが多いので、店舗での電池交換ができなくなっており、お預かりの上メーカー送りとなってしまうのです。メーカー送りになると、時間はもちろんのこと費用もその分かかってしまいます。

当店で電池交換を行う際、防水のスペックを見てお客様に尋ねることがあります。
20気圧以上の防水性能の場合、防水チェックを行える環境でない当店ではメーカー送りをおすすめしています。しかし、その場合費用と時間がかかってしまいます。防水性能を発揮できなくてもいいと了承を得た場合は、当店でも交換を行っております。

メーカーに送らず、当店で電池交換をする方は、おそらくですがそんなに防水性能を必要としてなかった方だと思っています。

より高い性能の方がいいと思ってしまいますが、実際に必要のないスペックであれば後のメンテナンス費用に影響するので、必要なスペックだけを意識することをおすすめします。

バイヤー:合田圭四郎

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